日本人サラリーマンの平均年収の推移と中央値について。

Keiです。

今回は、日本人サラリーマンの平均年収の推移およびその中央値について、国税庁や厚生労働省が公表している統計情報を元に、その具体的な数字を見ていきたいと思います。

日本人サラリーマンの平均年収

国税庁による平成27年分の「民間給与実態統計調査」によると、日本人サラリーマンの平均給与は「420万円」だそうです。

男女別に見ると男性の平均給与は521万円、女性は276万円となっています。

倍率で言えば、男性は女性の約1.9倍の給与をもらっているという計算になりますね。

また正規雇用者の平均給与は418万円、非正規雇用者の平均給与は171万円となっている事から、正規・非正規の給与の差は相当大きなものになっている事が分かります。

「サラリーマンの平均年収は420万円です!」

と聞くと、「自分が想像していた以上に多いな」といった印象を持つ人も多いのではないでしょうか。

何せ、男性に至っては平均で毎年“521万円”も受け取っています。

この金額を単純に12で割れば「約43万4000円」になりますので、新入社員の初任給の約2倍の金額を“平均で”毎月受け取っている計算になるわけですからね。

ただこのサラリーマン全体の平均給与である「420万円」の内訳は、

420万円(平均給与)=356万円(平均給料)+65万円(平均賞与)

となっていますので、「平均給料(ボーナスを抜いた金額)」という観点で考えれば月換算で「約29万7000円」になります。

この金額であれば、

「まあそれぐらいならありそうかな・・・」

といった印象を持つ人も増えるかもしれません。

とは言え、全サラリーマンが平均してそれだけの年収を得ている、と聞くと疑問に感じる人も多いと思いますので、その理由についてもう少し突っ込んで見てみます。

日本人の「平均年収」が多く感じる理由

まず“平均”という言葉を聞いた時に注意すべき点は、平均を取ったデータの「上限値」と「下限値」です。

物凄く極端な例を挙げれば、とある町に100人の住人がいて、その内の5人が年収1億円、残りの95人が年収0円の場合の“平均年収”は

(5×100,000,000+95×0)÷100=5,000,000

という事で「500万円」になります。

もちろんサラリーマンとして働いていて給与が「0円」という事はあり得ませんが、

・全然稼げていない人(年収数十万円クラスの人)
・とんでもない大金を稼いでる人(年収数億円クラスの人)

が現実に偏って存在するなら、“平均以上の金額を稼いでいる人”よりも“平均以下の金額しか稼げていない人”の方が多くなると考えられます。

ですので、その結果として“平均年収”の数字に対しても、

「なんか思っていたより金額が大きい」

といった感覚を抱く人の方が、「思っていたよりも金額が小さい」と感じる人よりも多くなるわけです。

そして実際、世帯当たりの年収は“平均よりも少ない側”に偏っている事が、こちらのグラフを確認して頂ければ視覚的にもよく分かるかと思います。(平成21年調査:世帯当たりの年収の平均値と中央値)

上記グラフの場合、平均所得以下の人が61.5%、平均所得以上の人が38.5%となっていますので、

「平均より稼いでいる人よりも、稼いでいない人の方が約1.6倍多く存在する」

という事が言えます。

多くの人は「平均」と聞くと以下の画像の上側のグラフをイメージするかと思いますが、「日本人サラリーマンの年収」の分布は実際には下側のグラフのように一方に偏っているわけですね。(画像引用:平均値,中央値,最頻値の求め方といくつかの例

日本人サラリーマンの年収の「中央値」

日本人サラリーマンの男女別の年収の“中央値”に関する正確なデータは公表されていませんが、「民間給与実態統計調査」の給与階級別分布から推計すると、平均年収よりも10%ほど少ない数値が中央値になると言われています。

故に、男性の場合は「455万円」前後、女性の場合は「245万円」前後が中央値になると考えられます。

したがって男女を合わせた全体で見れば、「約370万円」が平均給与の中央値という事になりそうですね。

こうして見ると、年収の“平均値”よりは“中央値”の方が、私たちの実感としては近い印象を受けるのではないでしょうか。

日本人サラリーマンの平均賃金、平均年収の推移

次に平均年収の推移を見る前に、「残業代などを除いた給料(=賃金)」の平均値を確認する為、先ほどとは違った統計データを見てみたいと思います。

厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」には、一般労働者の賃金についてこのような記述があります。

賃金は、男女計304.0千円(年齢42.2歳、勤続11.9年)、男性335.2千円(年齢43.0歳、勤続13.3年)、女性244.6千円(年齢40.7歳、勤続9.3年)となっている。

これは国税庁の調査とは違い、調査した年の6月分の「賃金」の平均値になります。

これらの数字を大雑把に12倍してみると(年換算にする為)、平均は「364万円」で、男女別に見れば男性が402万2,000円、女性が293万5,200円になります。

実際の賃金の推移は以下の表の通りです。見辛いと思いますが少しだけ我慢してください(笑)


と言っても、数字だけを見たところで全くイメージがつかめないと思いますので、折れ線グラフにしてみると・・・

興味深い事に、男性の賃金は上下しているのに対して、女性の賃金は明らかに増加傾向にある事が確認できました。

先の表の“男女間賃金格差”を見ても、

平成9年:63.1
平成10年:63.9
・・・
平成27年:72.2
平成28年:73.0

と徐々に増加している事実から、徐々に女性の賃金が男性の賃金に近づいてきている事が判断できますね。

一方、「男女計」のグラフは概ね横ばいになっている事から、男性の賃金は減少傾向にある・・・と言えるかもしれませんが、平成25年からの数字だけを見れば改善傾向にあるとも言えそうです。

平均年収の推移

賃金から推計した年収の推移は先の通りですが、平成9年~平成27年にかけての「平均年収」の推移は以下のようになっています。

平均年収の推移 ご覧の通り、平成9年から平成21年にかけて平均年収が減少し、平成27年にかけて増加している傾向が見て取れますね。

ただ、平成21年からの推移を見ると徐々に増えてはいるんですが、平成9年の水準と比較すると「景気が回復している」と言われても実感できないのは当然の話だと思います。

20年前は平均年収が465万円前後だったのが、多少「増えた」と言っても420万円前後にまで減少しているわけですから。

改善したと言っても、平成9年から考えれば1ヶ月当たり「3万7,500円」も収入が減っている計算になります。

消費者物価指数(物価の変動)に関しては1990年代以降は概ね横ばいで、「緩やかなデフレ状況にある」とも言われていますので、

「物価は大して変わってないけど、受け取る給料は減っている」

という状況にあると言えるかと思います。

以上、日本人サラリーマンの平均年収の推移およびその中央値について具体的にお伝えしてきました。

平成27年時点でのそれぞれの数値を再掲すると、以下の通りです。

<平均年収>
男女計:420万円
男性:521万円
女性:276万円

<中央値(推計)>
男女計:370万円
男性:455万円
女性:245万円

またそれに加えて、

・男女間の賃金格差は徐々に縮まってきている
・平均年収は上昇傾向にあるが、以前と比べると低い水準に留まっている

といった事についてもお分かり頂けたのではないかと思います。

ちなみに、「平均年収をはるかに超える収入の人(1000万円~1億円)」に関する情報はこちらの記事で扱っていますので、興味があれば併せて目を通してみてください。

>年収1000万円以上の人の手取り収入・割合について。

自分自身の「収入」を増加させる為に

こういった情報を踏まえた上で、次に考えるべきはやはり

「どうすれば自分(あなた)自身の収入を増加させていく事ができるか」

ではないでしょうか。

それこそどうせなら、

「いくら働いても大して変わらないどころか“減る可能性すらある給料”を、今後全く心配する必要がなくなるような生活」

を送ってみたいと思いませんか?

ただもちろん、そんな「経済的な自由」を手に入れるのは決して簡単では無いと思います。

実際、収入を増やす為の現実的な方策としては

・今の会社での昇進を目指す
・より条件の良い会社に転職する
・会社に頼らず自分自身の力で稼ぐ

など様々な手段が考えられますが、いずれにしても

「自分の価値(能力、スキル)を高めていく必要がある」

という点ではどの方法も変わりがないからです。

その大きな理由としては、結局のところ「収入=労働の対価」であり、もう少し突っ込んで考えれば

「何らかの“相手”に価値提供をした結果として受け取れる報酬」

でもあるわけですから、その「相手」に提供できる価値が大きくなればなるほど、得られる収入もそれに応じて増加していくからだと考えられると思います。

よって、今現在あなた自身が満足できるだけの収入を得られているのであれば素晴らしい事だと思いますが、もし現在の状況に少しでも「不満」を感じているのであれば、

「今よりも収入を増やす為には、現実的にどんな手段が取れるか?」
「今よりも収入を増やす為には、何を優先して勉強するべきか?」

について、是非改めて時間を取って考えてみてください。

そうした問い掛けをきっかけとして「自分自身の稼ぐ力(スキル)」を着実に向上させていく事ができれば、今後のあなたの人生を全て

「何にも縛られない自由な生活」

へと変えていく事も決して不可能ではないと思います。

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