論理的な文章を構成する為の5つの要素。

Keiです。

今回は、主には「インターネット上での情報発信(コンテンツ作成)」における、

「論理的な文章を構成していく為に必要な5つの要素」

について、そのポイントを具体的に解説します。

「論理的」というと数学や論理学のような比較的「堅苦しい」イメージを持つ人も多いかもしれませんが、明確な論理は

「文章の分かりやすさ・伝わりやすさ」

に密接な関係がありますので、インターネットに限らず「文章を書く」という上ではほとんど“必須”と言っても過言ではありません。

(そもそも、他の人が読んでもその内容が伝わらない文章であれば、そんな文章はただの「自己満足」にしかならないと思うからです)

今回ご紹介する「5つの要素」は、そんな「文章の分かりやすさ・伝わりやすさ」を追求する上では全てが非常に重要な要素となっていますので、是非参考にして頂ければと思います。

論理的な文章が満たす3つの条件

まずは「5つの要素」を解説する前に、

「そもそも論理的な文章とは何なのか?」

について、その私なりの定義を明確にしておきたいと思います。

私の考える「論理的な文章」は、以下の全ての条件を満たした文章です。

条件1:主張の「理由」が明確である
→1つの文章を構成する全ての主張に対して、説得力のある「理由」が添えられている。

条件2:主張の一連の流れに「繋がり」がある
→1つ1つの主張に繋がりがあり、「何故その話をするのか」が明確になっている。

条件3:主張全体を通して「一貫性」がある
→主張の内容(結論)が「1つ」に絞られており、主張全体に整合性がある(矛盾していない)。

辞書によると「論理的」という言葉は、

「きちんと筋道を立てて考えている」

という意味ですので、基本的には「2」と「3」の条件さえ満たせば一般的な意味での「論理的な文章」を構成していく事は可能です。

ただ私自身は、1つ1つの主張に明確な「理由」が添えられていない主張はどうしても「分かりにくさ・伝わりにくさ」に繋がってくる事から、

・主張の「理由」が明確である

という条件も論理的な文章を構成する上では必要だと捉えています。

論理的な文章を構成する5つの要素

それでは、以上の3つの条件を踏まえた上で、これらの条件を満たす為に必要な「5つの要素」について解説していきます。

私が考える、「論理的な文章を構成する為に必要な要素」は以下の通りです。

1:結論を1つに絞る
2:1つ1つの主張の「理由」を明確にする
3:文の「主語」を明確にする
4:「接続詞」を意識する
5:「MECE」を意識する

文章を作成する際、これらの要素を常に意識する事ができれば、「論理的な文章」を自然と構成していく事ができるようになると思います。

それでは、それぞれの要素について具体的に見ていきましょう。

1:結論を1つに絞る

「結論を1つに絞る」とは、

「1つの記事(文章)の中では、言いたい事を1つに絞って、それ以外の余計な話はしないようにする」

という事を意味します。

結論を1つに絞れば、その文章の中で主張すべき内容も自然とその「1つの結論」に向けたものに決まりますので、自然な流れで論理的な文章を構成しやすくなり、読み手側から見れば「あなたが主張したい事」も明確になるわけです。

逆に1つの記事の中で2つ以上の結論を述べてしまえば、

「その記事を通して、結局のところ何を伝えたかったのか」

が分かりにくくなってしまう傾向があります。

例えば「ダイエットの方法」を伝える事を考えると、

「○○ダイエットがオススメです!」

という主張と同時に、

「××ダイエットもオススメです!」

と別の主張もしていった場合、その文章を読んだ人からすれば、「結局どっちのダイエット方法がオススメなのかが分からない」といった事になりかねません。

故に、1つの記事の中では「その記事を通して伝えたい事(=結論)」を1つに絞る事によって、論理が辿る道筋をあらかじめ明確にする事が大事になってくるのです。

2:1つ1つの主張の「理由」を明確にする

こちらは、

「何か主張をするたびに、その主張に説得力のある理由を添える」

という事を意味します。

わざわざ「説得力のある」という言葉を添えたのは、

「主観的な理由(私の経験上~だから、など)」

よりは、

「客観的な理由(統計によると~だから、など)」

の方が、より読み手がその主張に対して「納得感」を感じるからです。

理由を添えればそれだけで主張の内容は理解しやすくなりますし、その理由に対する「納得感」から「共感」を引き出していく事もできますが、

「私がこうなったから、あなたもこうなれます」

といった主張ばかりをしていれば、多くの人からの共感を得る事は難しいと思います。

よって、全ての主張に理由を添えるのに加えて、その主張の「理由」としては、

・客観的なデータ
・明確な証拠(画像、動画など)
・一般に「常識」と捉えられている物事
・権威のある有名人の発言などの引用

などのように「可能な限り多くの人からの納得感を引き出せる理由」を添えるようにしていってください。

3:文の「主語」を明確にする

これは、

「1つ1つの文の主語を省略しないようにする」

という事を意味します。

実は、この要素は「論理的な文章の構成要素」という意味とは少し違ってくるのですが、ネット上で文章を公開する際には「決して無視できない要素」になってきますので、一応加えたものになります。

日本語は英語などの言語とは異なり、

「文の主語を省略できる」

という特徴を持っていますので、「わざわざ主語を言わなくても文の意味が伝わる場合」には、その文の主語が省略される場合も多いです。

ただ、ネット上で情報発信などを行っていく場合には、可能な限り「わざわざ主語を言わなくても文の意味が伝わる場合」であっても、主語を省略しない方が良いと思います。

何故なら、ほとんどのインターネットユーザーは書籍などの場合とは違い、ネット上の文章を最初から最後までじっくりと読み込むような事はせず、文章をザッと「飛ばし読み」をする傾向があるからです。

それでは、現実にはどの程度の文章が飛ばし読みされるのか。

これについては、ヤコブ・ニールセン博士の「ユーザーはいかにテキストを読まないか」の以下の分析結果が参考になります。

月並みなWebページの場合、平均的アクセス中にユーザーが読むテキストの量は多くても全体の28%にすぎないという分析結果が出た。より現実的には、20%程度とみられる。

つまり、平均的なブログの訪問者の場合は「全体の80%の文章を読み飛ばす」という事です。

したがって、最初から順々に読んでいった場合には「主語が無くても十分に理解できる文章」になっていたとしても、その文章の20%しか読まれない場合には、

「主語が欠如しているせいで、読み手がすぐに意味を把握できない文章」

になってしまう可能性も十分にあり得ます。

故に、「ネット上の文章は基本的に“流し読み”される」という事を前提として、

「可能な限り文章の主語の省略を避け、その文だけを読んでも意味が把握できるようにする事」

が重要になってくるという事です。

(強いて言えば、省略する主語は「私は」「私が」だけにした方が無難だと思います)

4:「接続詞」を意識する

私は、論理的な文章を客観的な視点から構成していく上で最も役に立つのが、文を繋ぐ「接続詞」を意識する事だと考えています。

主な接続詞の具体例とその役割は以下の通りです。

付加:そして、それから、など
理由:何故なら、というのは、など
例示:例えば、いわば
転換:しかし、ところが、など
解説:すなわち、つまり、要するに、など
帰結:だから、したがって、など
補足:ただし、ちなみに、など

こういった接続詞を「意識的」に使用していく事によって、

「どういった主張の流れになっているのか」

がより明確になりますので、自分自身にとっても文章の読み手にとっても「論理の流れ」が明確になるというメリットがあります。

ちなみに文章を書く事を生業にしている人の中には、

「接続詞を多用するのは幼稚。
接続詞を使わなくても論理の流れが分かるような文章を書くべき」

と主張している人も見かけますが、接続詞を省略する事で「論理の破綻した文章」書くよりは、私としては「自身の文章の論理に自覚的になる」という意味も兼ねて、とくに文章を書き始めて最初の内は接続詞を多用していった方が良いと思います。

ちなみに、具体的な「接続詞のトレーニング方法」としては、東大の野矢茂樹教授が書かれている「論理トレーニング101題」という本が非常にお勧めです。

接続詞の具体的な使用法を含めて実践的に「論理のトレーニング」を積んでいく事ができますので、一通り問題を解いていけば、

「自分の書いている文章が論理的なのか」

を的確に判断できるようになると思います。

5:「MECE」を意識する

論理的な文章を構成する5つ目の要素は「MECE」です。

MECEとは一体何かというと、Wikipediaでは以下のように解説されています。

MECE(ミーシーもしくはミッシー、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉である。 要するに「重複なく・漏れなく」という意味である。

MECEは、「漏れなく、ダブりなく」とも言われ、例えばビジネス(マーケティング)においては

・マーケティングの4P
・マーケティングの4C

などがこのMECEの例として挙げられますので、こちらを例にMECEについてより詳しく解説したいと思います。

マーケティングの4Pおよび4Cの概要は以下の通りです。

<マーケティングの4P>
Product:商品(顧客に何を提供するか?)
Price:価格(提供する商品の価格は適切に設定されているか?)
Promotion:宣伝活動(どのように商品の販売促進を行うか?)
Place:販売する場所(どのような流通経路で商品を販売するか?)

<マーケティングの4C>
Customer Value:顧客価値(商品は顧客にとってどんな価値があるか?)
Cost to the Customer:顧客コスト(商品購入は顧客にどんな負担を与えるか?)
Convenience:利便性(商品の購入の便利さ・手軽さ)
Communication:コミュニケーション(商品は顧客にとって発見しやすくなっているか?)

マーケティングの4Pは「販売者側の立場に立ったマーケティングの捉え方」、4Cは「購入者側の立場に立ったマーケティングの捉え方」という違いはありますが、こういった「4つの視点」を考慮する事によって、企業活動におけるマーケティング戦略を「漏れなく、ダブりなく」立てられるようになるというメリットがあります。

このように、物事をMECEに捉える事によって、その物事を論理的に考えられるようになるのだという事です。

「論理的な文章」を構成する際にもこのMECEは非常に役に立ちます。

何故なら、文章を書く際にMECEを徹底する事ができれば、主張の内容に「漏れ・ダブリ」が無くなりますので、

「こういう場合は確かにそうかもしれないけど、この場合にはちょっと話が違うんじゃない?」

といったような反論の余地を無くし、反感を抱かれる可能性を引き下げていく事ができるからです。

よって、文章の中で何らかの主張をする際には是非、「この主張に対する反論の余地は無いか?」と注意深く考える癖を付けるようにする事をお勧めします。

完全な意味での「MECEな思考」は相応のトレーニングが必要になってきますが、普段文章を書く時に上記のような視点を持つだけでも、その文章の「説得力」は大きく変わってくるはずです。

<補足:MECEのトレーニング方法>
より物事を「MECE」に捉えていく為のトレーニング方法としては、文章を書く際に「ロジックツリー」を意識的に頭の中に浮かべていくようにするのが効果的だと思います。

ロジックツリーの具体的な使い方については、例えば「世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく」などが、子ども向けの本なので非常に分かりやすくお勧めです。

総括

これまでの内容をまとめます。

<論理的な文章とは何か?>
論理的な文章は、以下の3つの条件の全てを満たす必要がある。

条件1:主張の「理由」が明確である
→1つの文章を構成する全ての主張に対して、説得力のある「理由」が添えられている。

条件2:主張の一連の流れに「繋がり」がある
→1つ1つの主張に繋がりがあり、「何故その話をするのか」が明確になっている。

条件3:主張全体を通して「一貫性」がある
→主張の内容(結論)が「1つ」に絞られており、主張全体に整合性がある(矛盾していない)。

逆に、これらの条件を満たしていない文章は、「分かりにくい・伝わりにくい」文章になりやすい傾向がある。

<論理的な文章を構成する為の5つの要素>
1. 結論を1つに絞る
 →「1つの記事で最終的に良いたい事」を1つに絞る事によって、論理の流れが一貫した文章を構成しやすくなる。

2. 1つ1つの主張の「理由」を明確にする
 →全ての主張に「納得感のある理由」を添えていく事ができれば、「読み手の納得感」や「共感」に繋がる。

3. 文の「主語」を明確にする
 →「ネット上の文章は80%は読み飛ばされる」という事を前提に、一文だけを読んでも意味が取れるよう、文の主語は省略しないようにする。

4. 「接続詞」を意識する
 →接続詞を意識的に使用する事によって、主張の流れが分かりやすい(飛び飛びになっていない)文章を構成しやすくなる。

5. 「MECE」を意識する
 →主張に「漏れ・ダブリ」を無くす事で、読み手からの反論や反感の余地を可能な限り減らし、より説得力のある主張をしていく事ができる。

以上、是非こちらの「文章の説得力を高める要素」も併せて、今後の情報発信やコンテンツの作成などに有効に活用していってください。

>文章の「説得力」を効果的に高める6つの要素。

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