Keiです。
今回は「リライトツール」の活用について、
・そもそもリライトツールとは何なのか
・リライトツールの有効性
・リライトツールのデメリット
といった事項を言及したいと思います。
あなたが現在リライトツールに興味があるとか、購入しようか迷っているといった場合は是非参考にしてください。
※以下では主に「MSR」という、私が確認した時点でインフォトップで一番売れている(らしい)リライトツールを元にして解説しています。 |
リライトツールとは何か?
リライトツールはその名の通り、
「記事のリライト(書き直し)」
をする為のツールです。
ただし通常の意味での「リライト」が「全面改稿(ある目的を持って文章全体を書き直す事)」を意味するのに対して、リライトツールが行う「リライト」はほとんどの場合、
「文章内の単語や文末表現の置き換え」
を意味します。
つまり、リライトツールにおいては、文章全体の流れはそのままに、その文章を構成する「単語のみ」を類義語に置き換えたり、文末表現を類似表現に変更する事を「リライト」と呼んでいるわけです。
例えばMSRの場合、以下のような「リライト」を行う事ができる、と機能説明されています。
<リライト前> 今までにない脱毛ブームで脱毛専門のエステサロンというものが一気に増えてきました。 脱毛サロンを選ぶときには、普段使う駅の近くがよいでしょう。 また脱毛サロンでは体験コースや無料カウンセリング等を準備しているので、実際に体験して、自分にあうのかどうかを判断してみることも大切です。 <リライト後> |
上記のリライト後の文章において、赤字部分が「リライト箇所」になるわけですが、文章全体の流れは全く変えないままに、
エステ → エステティック 一気に → 急激に 近く → そば 体験コース → トライアルプラン 無料カウンセリング → 料金がかからない相談 です(文末表現) → だと言えます |
といった「似た意味の別の単語(または文末表現)」に単純に置き換えているのが確認できると思います。
リライトツールのアフィリエイトにおける有効性
それでは、ただ単に単語や文末表現を置き換えているだけに思えるリライトツールが、アフィリエイトにおいて一体何の役に立つのか。
MSRというリライトツールの販売ページでは、そのメリットとして以下が挙げられています。
1. 気に入った文章の表現を置き換えるだけで、簡単にオリジナル文章を作成できる 2. 上位表示サイトの文章を踏襲できる(=パクれる)ので、SEO的に上位表示が期待できる文章を作れる 3. サテライトサイト(メインサイトに外部リンクを張るサイト)の文章を手軽に量産できる 4. 優秀な「売れる文章」を数多く目にする事によって、自分自身でも「売れる文章」を書けるようになる |
こうして見ると、
「自分には文章を書く才能が無い」
「自分で文章を考えるのが面倒くさい」
といった人にとっては、こういったリライトツールは非常に魅力的に思えるかもしれません。
言ってみれば、自分で全く文章を考えなくても、「既に売れている(かもしれない)文章」をパクってくるだけでお手軽にそれを「自分のオリジナル文章」に書き換えられるわけですから。
しかし私の個人的な考えでは、こういったリライトツールの利用は決してお勧めできません。
と言うのも、上記のような様々なメリットを支える根拠の中にはその妥当性が疑わしい主張もあるからです。
どういう事か、具体的に説明していきます。
リライトツールのメリットを支える根拠について
それでは、リライトツールの以下のメリットについて、「メリットを支える根拠」と併せて、「その根拠の妥当性」について見ていきたいと思います。
(「サテライトサイトの文章を手軽に量産できる」というメリットについては、とくに言える事も無いので省略しました)
・気に入った文章の表現を置き換えるだけで、簡単にオリジナル文章を作成できる ・上位表示サイトの文章を踏襲できる(=パクれる)ので、SEO的に上位表示が期待できる文章を作れる ・優秀な「売れる文章」を数多く目にする事によって、自分自身でも「売れる文章」を書けるようになる |
「表現の置き換え=オリジナル」は成り立つのか?
まず最初に、
「表現を置き換えた文章はオリジナル文章になり得るのか」
ですが、これについてMSRでは以下のような根拠から「リライトした文章はオリジナル文章になる」と主張がなされています。
グーグルは文章内にある助詞・助動詞・単語を含めた文言を、あくまでも“機械的に判断するだけ”ですから、文言が違えば全く違う文章だと判断するはずです。
なぜそのように豪語できるのかと申しますと、日本語というのは同じ文言でも全く違う意味をなすことが多々あるからです。
例えば・・
「課題を出します。」という文言は、MSRによって「課題を提出します。」に置き換えることができますが、もしグーグルの方で「提出します」は「出します」のリライトだ(コピーだ)というふうにプログラムしているとしたら、
「水を出します。」は「水を提出します。」でも良いことになってしまいます。
こんな日本語はあり得ません。
またこのような例は、日本語には数え切れないくらい存在します。こうした背景からも、「リライトした文章はコピー文章だ」と機械が判断することは不可能だと考えられます。
実のところ、現在のGoogleは
「コピーコンテンツか否か」
を完全に判断できているとは言えませんので、
「文言が違えば違う文章だと判断するはず」
という主張は「完全に的外れである」とは言えません。
中には
「コピーコンテンツがコピー元のコンテンツよりも上位表示された」
というケースも存在しますので、「表現を置き換えた文章」が「オリジナル文章」として扱われる可能性も現時点では十分にあり得るわけです。
ただし、
「文章内にある助詞・助動詞・単語を含めた文言を、あくまでも“機械的に判断するだけ”」
という箇所には間違いがあり、Googleは高度な類義語判定を行う事ができますので、単純な「単語や表現の置き換え」程度であれば十分に「同じ文章である」と判断できると考えられます。
故に、確かに現時点では「単語や表現の置き換え」でも「オリジナル文章」として通用する可能性もありますが、今後Googleがより高度な類義語判定を行えるようになれば、ツールでリライトした文章が「コピーコンテンツ」として扱われるようになる可能性も十分考えられるという事です。
ところで、先に引用した主張の中では、
課題を出す → 課題を提出する 水を出す → 水を提出します |
といった例を挙げた上で、
「日本語には同じ文言でも全く違った意味になる場合があるから、リライトした文章をコピー文章と判断するのは不可能である」
と結論していますが、この例を主張の根拠とするのは不適切だと思います。
何故なら、表現を置き換える事によって「文章の意味そのもの」が変わるのであれば、そもそも「リライト」になり得ないからです。
ここで言っている「リライト」はあくまでも
「文の意味はそのままに、表現や言い回しなどを変える事」
を意味しますので、「課題を出す」を「課題を提出する」にリライトする事はあっても、「水を出す」を「水に提出する」にリライトする事はほとんど考えられません。
(ちなみに引用元の文章の中では「こんな日本語はあり得ません。」とありますが、日本語として成立する文脈も考えられます)
また、Googleが「コピー文章か否か」を判断する際には「文節単位」ではなく「文章単位」でマッチングを行うと考えた方が自然だと思います。
つまり、
「出す」→「提出する」
のように文節だけを見て判断するのではなく、
「課題を出します。」→「課題を提出します。」
のように文章全体を見て「コピー文章かどうか」を判断すると考えた方が自然である、という事です。
この程度は技術を全く知らない私でもすぐに思い付く事ですから、Googleがこの事を考えていないはずは無いと思います。
以上から、
「日本語には同じ文言でも全く違った意味になる場合があるから、リライトした文章をコピー文章と判断するのは不可能である」
という主張は不適切であり、単純な表現の置き換えの場合は「コピー文章」だと判断できる(される)余地は十分にあると考えられます。
リライトした文章は上位表示されるのか?
次に、
「上位表示サイトの文章を踏襲できるので、SEO的に上位表示が期待できる文章を作れる」
というメリットについてですが、その根拠となっているのが以下の主張です。
検索ランキング上位のサイトの文章を“ターゲットキーワードはそのままにして”置き換えていけば、「ターゲットキーワードの出現頻度と配置」は、検索ランキング上位サイトのものを踏襲できるということが言えます。
この主張は細かい理屈を抜きにすれば、
「上位表示される文章をパクれば上位表示される(はず)」
という事を言っているわけですが、では、実際にリライトした文章が上位表示される可能性は、理屈で考えればあり得るのでしょうか。
リライト文章が上位表示される可能性を考える上では、
・リライトする場合でも「ターゲットキーワードは変えない」という事
・リライトした文章の「情報量」は元文章と変わらない事
に注意する必要があります。
「ターゲットキーワードを変えない」という事はつまり、パクリ元のオリジナル文章と同じキーワードを狙ってリライト文章を作成する、という事に他なりません。
よって、もしリライト文章がそのターゲットキーワードにおいて上位表示されるとすると、以下のいずれかの状況になると考えられます。
1. オリジナル文章とリライト文章が共に上位表示される 2. リライト文章のみが上位表示され、オリジナル文章の順位が下がる |
ただ、自然に考えれば「2」の状況はまず起こらないか、起こったとしてもオリジナル文章のサイト運営者がGoogleに違反報告するだろうと考えられる事から、実際には「1」の状況についてのみ起こり得るかどうかを考えれば十分です。
というわけで、
「オリジナル文章とリライト文章が、同じターゲットキーワードにおいて共に上位表示されるという状況は発生するのか」
についてですが、これに関しては私は
「共に上位表示される事はまずあり得ないか、あるとしても一時的な状況に過ぎない」
と思います。
何故なら、オリジナル文章をリライトした文章はその「情報量」において、基本的にはリライト前後で全く変化が無いからです。
今回の記事の冒頭で挙げたリライト例を改めて見てみましょう。
<リライト前> 今までにない脱毛ブームで脱毛専門のエステサロンというものが一気に増えてきました。 脱毛サロンを選ぶときには、普段使う駅の近くがよいでしょう。 また脱毛サロンでは体験コースや無料カウンセリング等を準備しているので、実際に体験して、自分にあうのかどうかを判断してみることも大切です。 <リライト後> |
文章を改めて確認すれば分かる通り、リライト前後で文章の「印象」は大きく違ったものになっていると思いますが、
・脱毛ブームで脱毛専門エステが急増している
・脱毛サロンは普段利用する駅の近くが良い
・また、実際に体験して自分に合うかどうかを確認するのも大切
という「文章の内容(情報量)」そのものは全く変わっていません。
Googleウェブマスター向け公式ブログの「良質なサイトを作るためのアドバイス」では、Googleが記事の品質評価を行う際の1つの基準として、
・同じ検索結果で表示される他のページと比較して、はっきりした価値を持っているか?
という項目が挙げられていますが、上記のような「ただ単に文章の表現を置き換えただけの文章」は到底「はっきりした価値」を持っているとは言えないと思います。
よって、リライト文章がオリジナル文章と同じターゲットキーワードで上位表示される確率は低いと考えられ、また、仮に上位表示されたとしてもすぐに「低品質なコンテンツ」とみなされる可能性があるのです。
ここまでの話から、もしかしたら
「それなら、もっと別の記事の文章も合体させてリライトすれば上位表示されるコンテンツを作れるんじゃないか?」
と思う人もいるかもしれません。
もちろん、それが上手くできれば「ただ表現を置き換えただけのリライト文章」よりは上位表示される確率は高まると思います。
ただ、「複数の文章を組み合わせる」というのは単純なリライトよりも遥かに難易度が高く、下手につなぎ合わせると「論理に繋がりのない支離滅裂な文章(=SEO的に上位表示されにくい文章)」になり兼ねません。
故に、複数のサイトの文章を組み合わせて無駄にリライトに手間を掛けるなら、自分で一から文章を書いていった方が「上位表示される可能性のある文章」を効率的に作成できると思います。
「真似から本物へ」の可能性について
それでは最後に、
「優秀な“売れる文章”を数多く目にする事によって、自分自身でも“売れる文章”を書けるようになる」
という主張の妥当性について見ていきたいと思います。
このメリットを支える根拠となる主張は以下のようなものです。
「人の文章を置き換える」というのは、ある意味「人の文章を真似る」ということでもあります。
ただ「真似る=学ぶ」というのは、昔から人が成長するためには必要なものだという考え方があります。
実社会のセールスの世界でも常に言われることであり、私自身も長年セールスの世界で生きてきて、圧倒的な成果をあげることができたのも、この考え方を取り入れたことが大きかったと考えています。もちろん、私は「ずっと真似を続けるべきだ」などとは一切考えてはおりません。
むしろ、武術や芸術の世界では有名な「守・破・離」の教えにもあるように、いずれは真似を卒業して、自分独自のものを生み出すことが必要だと考えています。
これは要するに、
「優秀なサイトの文章の文言を置き換える作業は、守破離の“守”に相当する」
という事を言っているのだと思います。
確かに、リライトツールを効果的に活用する事によって「自分独自の“上位表示される文章”を生み出す為のトレーニングになる」というのであれば、説得力のある主張だと言えるかもしれません。
ただ、守破離における「守」は「型を守る事」に当たるわけですが、
「上位表示されている文章の文言を機械的に別の文言に置き換える」
という作業が「守」に相当するかどうかと言われると疑問に感じます。
文章作成における「型」とは何か。
強いて言うならそれは、AIDMAの法則やQUESTの法則のような「テンプレート」が該当するのではないでしょうか。
つまり文章作成における「守」とは、
「既に効果的だと考えられている文章のテンプレートに沿って、自分自身で考えて文章を構成していく事」
なのではないかと思うわけです。
私自身、過去に「文章を書き写す事」によって文章力を上達させようと頑張っていた時期もありましたが、その結果的として得る事ができた文章力は
「なんかそれっぽい言葉をそれっぽく構成する力」
に過ぎず、「型」すらまともに身に付いていないようなものでした。
確かに「人が反応する単語」のような表面的なものは覚える事ができましたが、決してそれ以上の文章力を身につける事はできなかったのです。
まあ、これはあくまでも私の「経験上」の話ですから、もしかしたら
「優秀な文章の文言を置き換える作業」
を続けていく事によって「自分の力でその“優秀な文章”を生み出せるようになる」という側面もあるのかもしれません。
ただもしもあなたが「リライトツールの活用を通して文章力をアップさせたい」と思っているのなら、それは「無駄に遠回りな道のりになる」という事ははっきりと言っておきます。
本当に文章力を上達させたいと思うのなら、リライトツールに頼らず一から自分で考えて文章を作成していく事。
私はそれが結果的に「ベストな道のり」だと考えています。
総括
以上、リライトツールについて色々と見てきました。
これまで見てきた通り、リライトツールには様々なメリットがあると同時に、それに伴うデメリットも存在します。
私としてはサテライトサイトを構築するのに時間を掛けるよりも、メインサイトの文章を「より良いもの」にする為に時間を掛けた方が長期的に良い結果が得られると思いますが、
「自作自演のサテライトサイトにも一定の効果がある」
というのも現時点のGoogleでは確かな事ですので、とくにその活用を全面的に否定したいわけではありません。
したがって、
「サテライトサイト構築の労力と費用を削減する為」
と割り切ってリライトツールを活用するのなら、それはそれで良いと思います。
ただもしも、「他人の文章をパクって利用する事への罪悪感」に対する大義名分として
「優秀な文章を真似る事で、自分自身でも優秀な文章を生み出せるようになる」
というメリットを受け入れたい気持ちがあるのなら、リライトツールの購入は止めておいた方が良いかもしれません。
ツールはあくまでもツールであり、「時間短縮の為の道具」です。
頭を使う必要のない作業に関しては、どんどんツールを使っていった方が良いですが、それ以上の効果を期待するなら、やはり自分の頭を頑張って使っていくべきだと思います。
少なくとも私は、本当の意味での「自分自身で稼ぐスキル」はそうやってこそ身に付いていくものだと考えているという事です。