Keiです。
今回は、トレンドキーワード・ショートレンジキーワードの“落とし穴”について解説します。
一応説明しておくと、ここで私が言っている“トレンドキーワード”とは、
「短期的に検索数が急上昇する検索キーワード」
を意味し、“ショートレンジキーワード”はその名の通り
「短期間(短い範囲=ショートレンジ)だけ検索される検索キーワード」
を意味します。
基本的にはトレンドキーワードもショートレンジキーワードも同じような使い方がされている傾向がありますので、この記事では便宜上“トレンドキーワード”で統一して扱います。
トレンドキーワードは短期間で爆発的なアクセスを集められる可能性がある事から、特に新規サイトを立ち上げた時に上手くキーワード選定をする事ができれば、サイトの評価を一気に高められる可能性があります。
その為、割と多くの人がトレンドキーワードを“狙う”傾向にあるんですが、逆に言えばトレンドキーワードは
「短期的にしかアクセスを集められない」
というデメリットが存在するとも言えるわけです。
そしてそれ故に、キーワード選定の仕方がよく分かっていない段階から安易にトレンドキーワードの選定をしてしまえば、長期的に見て大きな“負債”を抱えてしまう可能性もあります。
トレンドキーワード・ショートレンジキーワードの「落とし穴」
まず先にトレンドキーワードの「落とし穴」について触れておくと、以下の通りです。
1. 狙ったキーワードでアクセスが集まるとは限らない
2. 「サイト全体の評価」が下がる可能性がある
以下、具体的に解説します。
1:狙ったキーワードでアクセスが集まるとは限らない
これについては「言われるまでもない当たり前の話」ですね。
トレンドキーワードの威力は凄まじく、人によっては1日で「20万PV(ページビュー)」など、本当に“爆発的”なアクセスをたった1記事から集める事ができます。
これは初心者にはなかなかピンと来ない数字に思えるかもしれませんが、これって例えば一般的なトレンドブログであれば「5万円」を稼げるぐらいのアクセスです。
1日で5万円って考えると夢がありますよね。
時給900円で1日8時間働くとすれば、大体丸々7日分の給料に匹敵します。
人によっては、せいぜい30分で書いた記事からこれだけ膨大なアクセスを集められるわけですから、多くの人が魅力を感じるのもうなずけます。
もしかしたら、
「1日20万PVを1ヶ月間継続できれば、それだけで月収150万円か・・・」
と考える人もいるかもしれません(笑)
ただ、こんなアクセスを集められるのは当然レアケースで、キーワード選定がよく分かっていない人がこれだけのアクセスを集める事は到底不可能です。
私自身もトレンドキーワードを狙って記事を書いた経験がありますが、1時間ぐらいかけて頑張って書いた記事で100PVすら稼げなかった事はザラにあります。
「これは行ける!」
と自分では謎の確信を持っていても、それで集められたアクセスが4000PVとか・・・正直「割に合わない」と感じた事も何度もあります。
トレンドキーワードは短期的にしかアクセスを集められませんので、その“短期的なアクセス”すら集められなければ、
「アクセスが全く集まらない記事がサイトに1つ増える」
という結果になります。
これは、「無価値な記事がサイトに1つ増える」と言い換える事もできます。
もちろんこのリスクを理解した上でトレンドキーワードを積極的に狙っていくのであれば良いんですが、何も考えずに“無価値な記事”を積み重ねていくと、“サイト全体の評価”にも影響を及ぼす可能性があります。
それが次の“落とし穴”です。
2:「サイト全体の評価」が下がる可能性がある
自分ではトレンドキーワードを選定しているつもりでもアクセスが集まらないという場合には、以下のようにいくつか原因が考えられます。
1. 同じキーワードを選定した競合が多数いた
2. 需要のないキーワードを選定した
3. 記事の内容が薄かった
これは私が今頭に思い浮かんだものを列挙しただけですが、いずれにしても共通するのは
「価値の低い(無い)記事を作成した」
という事です。
また、トレンドキーワードは「短期的なトレンド(流行)に乗ったキーワード」ですから、そのトレンドが終わってしまえば継続的にアクセスを集める事はできません。
ですから、仮にあなたがトレンドキーワードで上手くアクセスを集められたとしても、トレンドが終わってしまえばその時点で“その記事の価値”は低くなるか、無くなってしまいます。
そういう意味ではトレンドキーワードは潜在的に、
「価値の低い記事の作成」
へと繋がっていると言う事もできるわけです。
まあ、永久的に価値を持ち続ける記事なんて実質的にほとんど存在しませんから、そういう意味ではトレンドキーワードに限らずロングレンジキーワードでも同じ事が言えます。
トレンドキーワードの場合は“記事の寿命”がロングレンジキーワードよりも遥かに短い傾向がある、というだけの話ですね。
ただこの事を意識すれば、“トレンドキーワード重視”のサイト運営におけるリスクも理解できると思います。
例えばちょっと分かりにくいかもしれませんが、こちらのグラフをご覧ください。
こちらのグラフは、ロングレンジキーワードで作成した記事を1ヶ月に1記事作成したケースを想定しています。
縦軸が「サイトの価値」、横軸が「期間」を表しています。
1ヶ月に1記事、価値が「10」の記事を継続して作成すれば、10ヶ月後にはサイトの価値は「100」まで増えるという事を意味しています。
一方、こちらのグラフはトレンドキーワードのみに絞って記事を作成したケースを想定しています。なんかカラフルな長方形ですね(笑)
記事の価値は1ヶ月で0になるとすると、仮に1記事の価値が「50」だったとしても、10ヶ月後も大してサイトの価値は上がらない・・・という見方ができます。
それどころか無価値な記事がだんだん蓄積されていくと、検索エンジンから
「このサイトのほとんどの記事は無価値である」
と判断されれば、記事が多い事で逆にマイナスの評価を受ける可能性もあります。
もちろん実際のサイトの評価はこんなに単純なものではありませんが、
・ロングレンジキーワードは価値を蓄積する事ができる
・トレンドキーワードは短期的に価値を高める事ができる
という“イメージ”は少しでも掴んで頂けるのではないでしょうか。
トレンドキーワードは確かに短期的に爆発的なアクセスを集められる可能性がある事から非常に魅力的ではあります。
しかしそれだけに頼っていると、長期的に見れば“価値の無い記事”が蓄積し、サイト全体の評価も低くなってしまう可能性があります。
ですので、トレンドキーワードとロングレンジキーワードを上手く組み合わせてキーワード選定をした方が良い、という事です。
また、トレンドキーワードの記事は“書き続けないとアクセスを維持できない”というデメリットが存在しますので、そういう意味でも“放ったらかしでアクセスを集め続けられる”ロングレンジキーワードも積極的に取り入れる事をお勧めします。
そしてその上で、「アクセスが集まらなくなってきた記事」についてはキーワードに関係なく非公開にするか、noindex化していく事をお勧めします。
noindex化すればGoogleの検索結果に記事を表示させなくできますので、記事をランキングの対象から除外する事ができます。
※“ランキング”についてはこちらの記事を参考にしてください。
>Googleの仕組みと「本質的」SEO対策。
ただしロングレンジキーワードの場合は、半年以上経過してから上位表示されるものもありますので、数ヶ月経ってアクセスが集まらないからと言って非公開・noindex化するのは勿体無い場合もあります。
ですので、ロングレンジキーワードは長い目で見て、トレンドキーワードはアクセスが集まらなくなった段階で非公開(またはnoindex化)にすると良いと思います。
以上、
「トレンドキーワード・ショートレンジキーワードの“落とし穴”」
について解説させて頂きました。
是非参考にしてください。