アフィリエイトとステルスマーケティング:具体例と問題点。

Keiです。

今回は、

「ステルスマーケティング(ステマ)」

をテーマに、「そもそもステマとは何なのか」といった基本的なところから、ステマの具体例と問題点などについて私なりの視点を交えて解説したいと思います。

「アフィリエイトとステマの関係」についてもお話ししていますので、興味があれば是非参考にしてください。

ステルスマーケティング(ステマ)の意味

ステルスマーケティング(Stealth Marketing)とは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。略称はステマ。

アンダーカバー・マーケティング(Undercover Marketing)とも呼ばれる。ゲリラ・マーケティングの1つ。

引用:Wikipedia

“マーケティング”という単語そのものには様々な定義があり、例えば日本マーケティング協会が1990年に定めたマーケティングの定義によると

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

とされていますし、アメリカマーケティング協会の2007年の定義によれば、

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。

とされています。

「マーケティング=お金儲け」的なイメージがあるかもしれませんが、本来の定義によると営利目的に限らず

「社会全体に価値を提供する活動を最適化する為のプロセス」

といった意味合いになります。

よって定義から考えると若干「ステルス“マーケティング”」と言うのは微妙な表現ではありますが、ここでは単にマーケティングを“宣伝活動”と捉えているのだと考えられます。

ちなみに最近では動画のコメントやブログのコメントなどで商品やサービスの紹介がされるだけでもステマ扱いされているのを見かけますが、ステマは基本的には

「宣伝する事によって自分にとって何らかの利益になる」

というのが前提になってきますので、

・コメントした人が商品の紹介による利益を得られる立場にある
・アフィリエイト関連のリンクを貼り付けている

といった条件を満たさない場合はステマとは呼べないのではないか、と思います。

(そもそも定義自体が割と微妙なので、必ずしも正しいとは言えないかもしれませんが)

ステルスマーケティングの具体例と問題点

ステルスマーケティングは、大きく分けて

・直接的なステルスマーケティング
・間接的なステルスマーケティング

の2つのパターンがあります。

直接的なステルスマーケティング

ここで言う“直接的”とは、商品やサービスの関係者が自分の手で直接宣伝活動を行う事を指します。

直接的なステマの例としては、ある商品を販売する企業が自社の名前を一切出さず、匿名掲示板や商品販売サイトの口コミなどに、

「この商品がお勧めです!」

といって書き込むようなケースが挙げられます。

例えば2005年8月にはこんなニュースが報道されました。

ソニー・ピクチャーズは、01年に、自社作品の宣伝として、コネティカット州の週刊誌リッジフィールド・プレスに“デビッド・マニング”という映画評論家の推薦コメントを掲載。

「ロック・ユー!」主演のヒース・レジャーを「今年最もホットなスターだ!」、SFホラー「インビジブル」を「最高の恐怖体験」などと絶賛したコメントを掲載したが、のちに“デビッド・マニング”なる評論家は実在せず、ソニー・ピクチャーズ内の自作自演だったことが明らかになった。

引用:http://eiga.com

デビッド・マニング氏は米ソニー・ピクチャーズが捏造した架空の映画評論家で、2000年頃から同社は自社映画を絶賛する評論をマニング氏に繰り返し“書かせる”事によってステマを行っていたそうです。

(マニング氏はラジオ番組にも“合成音声”で出演していたと言いますから、米ソニー・ピクチャーズの本気度が窺えます(笑))

これは規模の大きいステマの例ですが、アフィリエイターが第三者を装って自分のアフィリエイトサイトを

「このブログが参考になります」

と匿名掲示板や質問サイトなどに書き込むのも立派なステマと言えます。

例えば、とあるアフィリエイターが“ダイエットサプリメント”を自分のブログでアフィリエイトする際に「Yahoo!知恵袋」を利用するとすれば、こんな風にステマを行う事ができます。

1. 適当なアカウントを2つ作成する

2. 1つ目のアカウントで「ダイエットでオススメのサプリメントはありませんか?」と質問する

3. 2つ目のアカウントで「このサプリメントがオススメです」と回答し、自分のサイトを紹介する

もちろんこの手順を単純に実行するだけではいかにも“ステマっぽい胡散臭さ”がありますが、別の質問者の質問に便乗する事によってより“自然なステマ”を行うなど、様々な形で応用する事ができます。

そしてこれによって

・アフィリエイト報酬を期待できる
・アクセス流入によるSEO効果が期待できる

といったメリットが得られる事から、アフィリエイターの中には実際にこういったステマを実践している人も存在します。

間接的なステルスマーケティング

間接的なステマとは、直接的なステマとは違って自分の手を動かして宣伝するのではなく、(金銭的手段などを用いて)第三者に密かに協力してもらう事によって行うステマを意味します。

最も分かりやすいのは“ヤラセの口コミ”ですね。

有名な例としては、飲食店のランキングサイトである「食べログ」における“やらせ疑惑”が挙げられます。

同サイトは飲食店からの広告ではなく、その店の利用者が書き込む口コミや点数、それを基にしたランキングの掲載が売りだ。

ところが1月上旬、飲食店に好意的な評価を投稿し、ランキングを上げる見返りに金銭を受け取る業者が昨年12月時点で39社いたことが明らかになった。

引用:http://toyokeizai.net

つまり、ランキングの結果が思わしくない飲食店の経営者がステマを行う業者にお金を払って、意図的に自分の店のランキングを上げる事ができる状況にあった、という事です。

また、「ペニーオークション詐欺事件」によって発覚した芸能人のステマも有名な事例です。

ペニオク詐欺事件が発覚したことにより、逮捕者が運営していたペニオクサイトで高額商品を格安で落札購入した旨の内容(例として市場価格4万5000円~7万円の高額商品を1080円と低額で落札購入した内容)を、自分のブログで投稿していた複数の芸能人が追及された。

その結果、実際には落札していないのに、落札したかのようにして装って、ペニオクサイトを紹介していた「ステルスマーケティング(ステマ)」だったことが判明した。

引用:Wikipedia

仮にこの“芸能人”が自分でペニオクサイトを利用していて、その結果「実際に格安に落札できた」という事実をブログで投稿していたのであれば、それはステマではありません。

しかしこのケースでは、サイト運営業者から“紹介料”として5万円~40万円の現金を受け取っていますので、立派なステマであると言えるわけです。

ちなみに間接的なステマをアフィリエイトに応用(悪用?)する例としては、“自身のサイトのポジティブな口コミ”を意図的に集め、それを利用するといった方法が挙げられます。

例えば“ランサーズ”や“クラウドワークス”のようなクラウドソーシングのサイトを利用し、その中で「このサイトのポジティブな感想をください」と、金銭を見返りに口コミを集める・・・といった感じですね。

確かに第三者のポジティブな意見をサイトに掲載すれば“サイトに対する信頼性”を高める事ができるかもしれませんが、こういった方法は消費者を“騙す”側面が存在する為、実際に活用する事は決してお勧めしません。

ステルスマーケティングの問題点

ステルスマーケティングの問題点としては、

・消費者を騙している
・消費者が不利益を被るおそれがある

といった点が一般に挙げられているわけですが、私自身は

「商品・サービスを価値のあるものに見せかけている事」

が最大の問題点だと考えています。

結局のところ“ステマ”では、ヤラセの口コミにしてもアフィリエイトへの悪用にしても、商品やサービスの実際の内容を一切無視して

「この商品はオススメです!」
「こんな事に悩んでいるのならこの商品を使ってみてください」

といった“ポジティブな面のみ”を全面に押し出したり、

「こちらの商品はクソなのでこちらの商品を使ってください」
「この商品以外はこんな欠点があるので効果がありません」

などと言って、必要以上に“別の商品の欠点”をあげつらったりしています。

もちろん実際にその商品の内容が素晴らしいものであれば“まだマシ”ですが、その口コミが実体が伴わない単なる“見せかけ”であれば、購入者にとっては害しかありません。

そして多くの場合、ステマは販売者にとっての不利益ももたらします。

先のステマの例を見れば分かりやすいと思うのですが、

「ステマがバレた時に消費者がどういう印象を持つか」

という事ですね。

ここでこちらの画像をご覧ください。


「ステマ」についてGoogleで検索すると、「ステマ ソニー」という検索キーワードが出現します。

これはどうやら過去にソニーが引き起こした問題(ゲートキーパー問題)が原因になっているようですが、この検索キーワードだけを見ても

「ソニー=ステマ」

という印象を受けてしまい、場合によっては

「その会社の商品・サービスが絶賛されている=ステマの可能性がある」

といったイメージを持たれてしまう可能性もありますので、企業にとって相当なイメージダウンになり、不利益にも繋がってくるわけです。

ちなみにこの例だとソニーという“これまで実績を積み重ねてきた大企業”ですのでステマがバレてもまだ生き残っていますが、これが中小企業だったらとっくに倒産していると思います。

一見するとステマは簡単に実行できてリターンが大きいように見えるかもしれませんが、実際にはこのように失敗した時のリスクも非常に大きいものになります。

ステマを行う事によって、本来「優良な商品」であったとしても、一気に「胡散臭い商品」と見られてしまう可能性があるわけです。

それなら、ステマなんて最初からせずに“商品の内容”で勝負した方が長期的な利益は大きくなるはずです。

もちろんこれは一種の理想論かもしれませんが、本来“ビジネス”というのはそういうものだとも思います。

そして私としては、個人で行うアフィリエイトなどのネットビジネスにおいても同様に、

「ステマのようなマーケティング手法」

に頼るぐらいなら、王道的なマーケティング手法に取り組んで自分の基礎的な能力を向上させた方が良いのではないかと思う次第です。

アフィリエイトとステルスマーケティング

一部では「アフィリエイトもステマっぽい」という意見も見られますが、アフィリエイトはステルスマーケティングとは関係ありません。

アフィリエイトは“宣伝”である事を隠しているわけではありませんので、「消費者に宣伝と気づかれないように」宣伝行為を行っているわけではないから、というのがその理由です。

ただし、ステマとは直接関係が無かったとしても、

・消費者に誤解を与える誇大広告
・実際には購入していないのに購入したと体験談を偽って口コミサイトやブログに掲載する行為

はそれぞれ「景品表示法」や「軽犯罪法」に違反する可能性がありますので、注意する必要があります。

しかし、アフィリエイト活動そのものはステマではなかったとしても、アフィリエイトサイトへの“集客”に関しては「ステマっぽい集客法もある」というのが実態です。

例えばTwitterを利用したマーケティング。

Twitterの自動ツールを稼働し、複数のアカウントを匿名で運用しながら

「このブログが凄く参考になります!」

と宣伝する行為は、明らかに“ステルスマーケティング”と言って良いでしょう。

他にもFacebookやInstagramで考えてみても同様に、あたかも第三者を装って自分のサイトを密かに宣伝する行為は普通にステマです。

(ちなみにこれが“自分の名前を出したアカウント”の場合は、普通に宣伝である事がハッキリ分かりますのでステマにはなりません)

というわけで以上をまとめると、

・アフィリエイトそのものはステマではない
・ただし、アフィリエイトの仕方によっては法律に抵触する場合がある
・集客の方法によってはステマである場合もある

という事ですね。

ステマは集客に効果的に利用できる場合もありますし、個人でステマを行っても大企業と比較すると大した問題にならない為、実際に活用しているアフィリエイターも多く存在しているように思われます。

ただ、私の個人的な意見を言えば、ステマなんかに力を入れるよりも

「読み手(見込み客)の為になる情報を発信する」

という事に集中した方がアフィリエイトにおいてはよほど効率的だと思います。

ステマを行って仮に集客が上手く行ったとしても、“中身”が伴っていなければ何の意味もありません。

アフィリエイトも言わば口コミ的な側面がありますから、アフィリエイトで効率的に稼ごうと思えば“見込み客との信頼関係”が非常に重要になってきます。

そしてその信頼関係というのは、“見込み客の立場に立った情報発信”によって構築されていくものだと思うわけです。

ステマによって商品の信頼性を偽装するよりも、優良な情報を発信する事によって“あなた自身の信頼性”を高めていった方が商品の成約率も高くなりますし、LTV(顧客生涯価値)も高くなるはずです。

よって私としては、ステマには可能な限り頼らず、“自分自身の本質的な稼ぐ能力”を高める事によって稼いでいくべきだと考えています。

そもそもイギリスではステマ自体が違法行為扱いされていますので、長期的に見れば「ステマを活用する事自体」が大きなデメリットになる可能性もあるわけですから。

以上、「ステルスマーケティング」の概要と具体例、およびアフィリエイトとの関係について具体的にお伝えしました。

もしあなたが「本質的な稼ぐ能力」に興味があれば、是非こちらのコンテンツにも目を通してみてください。

お勧めコンテンツ

>Keiの「稼ぐ」コンテンツ一覧

>Keiの「学ぶ」コンテンツ一覧