アップセルとクロスセル:事例と活用方法。

Keiです。

今回は、“アップセル”および“クロスセル”について、具体例を交えながら解説していきます。

一部、こちらの記事で解説した“フロントエンド”と“バックエンド”の話を前提としている部分がありますので、

「フロントエンドとバックエンドって何?」

という場合は、まず先にこちらの記事に目を通しておいてください。

>フロントエンド・バックエンド商品:事例と活用方法。

それでは本題に入っていきましょう。

「アップセル」と「クロスセル」の意味

アップセル(up-sell)は“より高額な商品を売る”という意味の単語で、マーケティングの用語としてよく使用されています。

より具体的に言えばアップセルとは、

「ある商品の購入を考えている見込み客に対し、より優れた高額な商品を勧めて販売する手法」

です。

アップセルの分かりやすい例として、以前Twitterのまとめサイトでこんな事例を見かけましたので紹介させて頂きます。

題して「ヨドバシカメラによって沼に突き落とされた人」

ワイ「安くて軽いカメラ、EOS Kiss 7X下さいな」
ヨド「確かに安くて軽い、しかしD5500の方が写り良くないですか?それでいて1万ちょっと高いだけ」
ワイ「なるほど。これなら誤差の範囲だしこっちにしますわ」

引用:https://togetter.com/li/1075672

最初は安くて軽い「EOS Kiss 7X」という初心者向けのカメラの購入を検討していた人が、

「それよりたった1万円ちょっと多く出すだけで、更に写りが良いカメラが手に入りますよ」

という提案を受け、まんまとそれに乗ってしまう話です。

まさしくこの販売の流れが“アップセル”であり、ヨドバシカメラはこのシンプルな提案によって“1万円ちょっと”多く売上を上げる事ができたわけです。

「アップセル」と「ダウンセル」

ちなみにアップセルの反対に、あまり聞きませんが“ダウンセル(down-sell)”という用語も存在します。

その意味するところもアップセルの逆で、

「予算的な問題などで、ある商品の購入を断念した人に対し、性能・機能的に劣る安価な商品を勧める販売手法」

の事を指します。

一応補足的に言っておきますが、アップセルとダウンセルともに“同じカテゴリーに属する別の商品”を勧めるものである、という点は意識しておいてください。

先に挙げた例で言えば、商品が“カメラ”なら更に高性能で高額なカメラを勧めるのがアップセル、より低性能で安価なカメラを勧めるのがダウンセル、という事です。

商品の購入を辞めた人に全く別の商品を勧めたり、単に商品の値引きをして購入してもらおうとするのはアップセルやダウンセルとは呼びません。

クロスセル

クロスセル(cross-sell)は“提携販売”とか“抱き合わせ販売”といった意味の単語で、この言葉からだけでも大体その意味はイメージできるのではないかと思います。

例えばパソコンをオンラインで購入する際に選択する“オプション”。

これも“クロスセル”に当たります。

パソコン通販の「Dell」のサイトを例に挙げると、Dellではパソコンを購入する時に選択できるオプションに以下のようなものが用意されています。

・OS
・メモリ
・ハードドライブ
・ビデオカード
・Officeソフトの有無
・キーボード
・サポート期間

例えば、OSを「Windows 10 Home」から「Windows 10 Pro」にグレードアップすると+8,000円、サポート期間を1年から3年に延ばすと+10,200円、メモリの容量をアップさせると更に追加でいくら、といった感じですね。

このように、

「ある商品の購入を決定した人に対して追加で別の関連商品(およびオプション等)を勧める販売手法」

の事をクロスセルと呼びます。

最初は本体価格だけで安かったはずなのに、オプションを追加していたらいつの間にか想像以上に高額になっていた・・・という経験をした事がある人も多いのではないでしょうか。

また、オンラインだと少し実感しづらいかもしれませんが、例えばレストランやファーストフード店などで訊かれる、

「ご一緒にポテトはいかがですか?」
「ご一緒にお飲み物はいかがですか?」

といった提案も同様にクロスセルに当たります。

クロスセルが効果的な理由としては、

「テンション・リダクション(tension reduction:緊張の緩和)効果」

という心理的な働きが挙げられます。

商品を購入する前に悩めば悩むほど、商品の購入を決定した時の“緊張の緩和”は大きくなり、それによって注意力や思考力が緩んだ状態になります。

そのタイミングで関連する商品を売り込まれれば、

「ついでだし買っておこう」

と深く考えずに購入してしまうわけです。

特にそのオプションが“本体の価格”と比較して相対的に安ければ、

「これぐらいならせっかくだし購入しておいた方が良いかもしれない」

と考える傾向は強まります。

例えば数百万円の自動車価格に対して、数万円もするようなオプションをポンポン追加していく行動もこの心理効果によるところが大きいです。

本来なら数万円の商品なんて決して安くはないはずですが、“相対的な価格の安さ”とテンション・リダクションの相乗的な効果によってついつい調子に乗って購入してしまう。

価格の相対性は必ずしも含まれる要素ではありませんが、こういった心理効果を巧妙に利用したのが“クロスセル”であるという事です。

「アップセル」と「クロスセル」と「バックエンド」

ところで、情報商材アフィリエイトの業界においては“アップセル”と“クロスセル”は特に区別されていない傾向にあるようです。

用語の定義が曖昧なのか、それとも誤用していたのが広まったのかは分かりませんが、人によっては

アップセル=クロスセル=バックエンド

という風に扱っているケースも見受けられます。

(もはや何が何だか・・・といった感じですが)

私の個人的な認識としては、アフィリエイトにおいてこれらの用語を使用する場合は

「アップセル=クロスセル」

とした上で、アップセルとバックエンドについては以下のように区別しています。

アップセル:商品の“販売直後”に販売する商品
バックエンド:商品の販売後、しばらく経ってから販売する商品

要するに、アップセルとクロスセルは区別せずに扱った上で、アップセルとバックエンドは“商品を販売するタイミング”によって区別する、といったイメージです。

正直に言えばマーケティング用語的には正しくないような気もしますが、こういった使い方の方が本来の意味よりも通用するので諦めましょう(笑)

アップセル(クロスセル)で客単価が「5倍以上」になった事例

前回の記事の中で、フロントエンドとバックエンドを“情報販売”に活用した事例として、「継承プログラム」をご紹介しました。

参考:
>フロントエンド・バックエンド商品:事例と活用方法。

そしてその中でこの継承プログラムが“12時間で5億6490万円の売上を上げた”とお伝えしたわけですが、これは強烈なフロントエンドに加え、アップセルの効果によるところも非常に大きいです。

継承プログラムのフロントエンド(無料オファー)に対するバックエンドの価格は99,800円。

つまり約10万円なので、それだけで5億円を売り上げようと思えば5000人以上に商品を販売する必要があります。

ところがサラッと調べたところによると、このプログラムの参加者は“約1000人”。

という事は客単価は“50万円”を超えなければならず、全く計算が合いません。

本来ならこの時点で「この実績は嘘をついている」と言いたくなるところですが、実は継承プログラムには“更に高額なアップセル”が複数用意されています。

それがこちら。

メンタークラブ(1年間):497,000円(49万7000円)
パートナークラブ(1年間):2,600,000円(260万円)

ちなみにこれらは“この内のどれかに参加する”というものではなく、

継承プログラムのアップセル=メンタークラブ
メンタークラブのアップセル=パートナークラブ

となっていますので、パートナークラブに参加する為には継承プログラム(10万円)とメンタークラブ(50万円)の両方に申し込む必要があります。

(つまりパートナークラブに参加すると、支払金額は300万円を超える事になります)

10万円のプログラムが安く思える冗談のような価格設定ですが、実際に多くの人がこれらのアップセルに申し込み、最終的には5億6000万円以上の売上を上げる結果となりました。

つまりはアップセルによって客単価を5倍以上に引き上げる事に成功したわけで、これはまさしく「アップセルが爆発的な効果を発揮した事例」であると言えるでしょう。

ちなみにググれば継承プログラムでどんなプロモーションを行っていたのかは全て分かりますので、興味があれば探してみてください。

(分からなければ私に直接質問してください)

アフィリエイトにおけるアップセルの活用方法

それでは最後に、アフィリエイトを実践する上でのアップセルの活用方法について簡単にお伝えします。

アフィリエイトにおけるアップセルの考え方には2通りあります。

1つは、最初にアフィリエイトする商品をフロントエンドとみなし、その特典の中でバックエンドとなる商品をアフィリエイトするという方法。

(この場合、ほとんど“アップセル”と“バックエンド”を区別していません)

もう1つは、“見込み客が購入を迷っている商品”に対して、

「その商品よりもこちらの商品の方がお勧めですよ」

と別の商品を紹介していく方法です。

こちらの方法では本来の“アップセル”の意味とは異なり、最初の商品よりも高額の商品を勧める必要は特にありません。

あくまでも、

「ある商品の購入を考えている見込み客に対して別の商品を勧める」

という事です。

(もちろん更にグレードアップした高額な商品を勧めるのもアリだと思います)

当然ながら既に別の商品の購入を考えている見込み客は、そのジャンルの商品に対する“購買意欲”が非常に高い傾向にありますので、

「その商品よりも優れた別の商品が存在する」

という事を分かりやすく訴えかけていく事ができれば、その見込み客からの信頼を獲得すると同時に効率的にアフィリエイト報酬を獲得する事もできるわけです。

要するに、アップセル本来の意味である

「ある商品の購入を考えている見込み客に対し、より優れた高額な商品を勧めて販売する手法」

に則った方法になります。

以上、

1. アフィリエイト商品をフロントエンドとみなす方法
2. 見込み客が購入を考えているのとは別の商品を勧める方法

について簡単にお伝えしました。

“アップセル”および“クロスセル”の意味と併せて、それらの活用方法についても是非参考にして頂ければ幸いです。

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